畑の監視その後

前にIoTで畑を監視するという内容の記事を別のブログで書いたのですが、バージョンアップしたのでその辺りを個人ブログで紹介しようかと。 tech.recruit-mp.co.jp

全体像

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新しくやったこと

  • 無停電キットの導入
  • カメラによる監視の追加
  • アプリのオートアップデート
  • 静止画からタイムプラス動画を生成する

最新版のソースはこちら

https://github.com/sparkgene/iot_farm_monitoring

無停電キットの導入

tokyodevices.jp

東京デバイセズが出しているソーラーUSB電源システムキット がソーラーで発電しながら蓄電でき、USBで5vを簡単に取り出せるすぐれものです。 これを使えば、日中に発電して夜間も動作させることが可能です。

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カメラによる監視の追加

センサーだけの監視ではなく、肉眼で畑の様子を見れたほうが便利だなと思ったので、カメラをセットアップしました。 ライブ配信だとsoracomの利用料がとんでもないことになりそうなので、静止画を撮ってアップロードする方式にしました。 使ったカメラモジュールはこれ。

akizukidenshi.com

公式のカメラモジュールで、静止画、動画の撮影が出来、専用のコマンドも用意されているのでものすごく簡単に使うことが出来ます。

raspistill -o image.jpg

たったこれだけで、静止画が撮れます。 さすがに、標準の解像度だとファイルサイズが大きくなりすぎるので、-w 1280 -h 720 とオプションを指定してサイズを抑えます。

撮影した静止画は、S3にアップロードして保存するようにしています。 AWS IoTを使って画像ファイルをbase64化して送ることも考えたのですが、あまりメリットが無さそうなので、aws cliで普通にアップするようにしています。 この場合は、awsのクレデンシャル情報が必要となるので、最低限の権限を付与したACCESS KEYを使っています。

アプリのオートアップデート

実際に畑を監視するときは遠隔地にデバイスを置くことも考えられるので、バグを修正したい時とか、新しい機能を追加したい時に気軽に触ることが出来ません。 また電源節約のため、Raspberry Piは常時ネットに接続していないので、sshで入ったり直接操作することが出来ません。 そこで、非同期でRaspberry Pi側からソースのアップデートができるようにする必要があります。

AWS IoTのDevice Shadowを利用することで、Raspberry Piがオフラインであっても次にオンラインとなった時に、設定した値を読み取ることができ、それをトリガーとしてgithubから最新のソースを取得して反映させることができるようになります。

https://github.com/sparkgene/iot_farm_monitoring/blob/master/iot_shadow.js#L31-L38

Device Shadowのソースはこんな感じでチェックしており、ローカルにあるソースのバージョンとDevice Shadowに設定されているバージョンを比較して、違う場合はgit cloneしてソースを入れ替える様になっています。

静止画からタイムプラス動画を生成する

静止画で畑の様子を見れるようにしたのですが、動画で一日の様子を見れるようにしたほうが面白いなと思い、S3にアップロードされてくる画像を元に動画を生成するようにしました。

qiita.com タイムプラス動画を作る方法はQiitaの方に上げてあるので、詳しいことはそちらを参考にしてもらえればと。

畑に置いた

さすがに畑の土真ん中に置くのは邪魔になるので道具小屋の所に置きました。 f:id:sparkgene:20160506160937j:plain

収集されるデータ

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soracom → AWS IoT → Lambda → CloudWatchと流れてくるセンサーのデータ あれ、、水分の値が全然拾えてない(と言うか、小屋の脇だとカラッカラに乾燥してるのが原因)

タイムプラス動画

youtu.be

Raspberry Piからアップロードされてくる画像を元に、Lambdaが動画を生成してくれました。 設置した時はカメラが逆さまだったので、最初の方は逆さまですw しかも設置中の自分も写ってしまってる。。

今回の反省

24時間稼働してくれない

無停電キットで24時間運用できるようになったはずでしたが、想定よりも消費電力が大きすぎて発電が追いつかず、バッテリーが空になって2日目には動かなくなった。。。 もっと大きなソーラーパネルに置き換えれば解決しそう。

カメラモジュールの防水対策

オフィシャルなカメラはフラットケーブルでRaspberry Piと繋げるのですが、カメラ基盤がむき出しだったりと、屋外での利用に向いていない。仮で、基盤自体をバスボンドで防水加工してみたけど、ちゃんとしたケースが欲しい。あと、カメラの向きを簡単に調整できるようなマウントも欲しい。 リモートから角度調整とかもできると最高。

AWSの進化の速さ

AWS IoTも日々進化しており、当初これを作った時にはなかったのですが、現在はAWS IoTのRuleのActionとしてCloudWatchのメトリックスが追加されたので、このブログのサンプルのようにLambdaを経由する必要がなくなりました。 ただし、現状csvで送っている形式を見なおす必要はありそうです。

さいごに

家で実験している時に気になってたことが、そのまま実際の畑に持って行ったら、やっぱりダメだった。 そのまま置いてくるつもりでいたけど、見なおして出直す必要がありますね。