最近Amazon Alexa界隈で起きたこと(5/1〜5/30)

前回の記事から1ヶ月経って、Amazon Alexa界隈で何が起きたでしょうか。

目次


現時点のSkill数(US)

f:id:sparkgene:20170530231027p:plain 今月も1000ぐらい増えています。 過去のデータをグラフにしてみると、同じぐらいのペースでSkillが増えているのがわかりますね。 f:id:sparkgene:20170530231906p:plain

[5/1] Test Your Smart Home Skill API Responses with Our New Validation Package

Test Your Smart Home Skill API Responses with Our New Validation Package : Alexa Blogs

Smart Home Skillのバリデータをリリースしましたと。 Smart Home Skillの場合、Skillのテスト機能を使うことが出来ないため(Alexa, turn on lightとか、built-inのIntentを利用するので)、Echoの実機もしくはechosimを使う必要があります。しかし、間違ったレスポンスを返したとしても、無言になるだけで何が原因かわかりません。 そこで、このバリデータを利用することで、返すデータをチェックしてエラーがあれば例外が発生して分かるようになっています。 これは、テストのときだけではなく、普段から入れておいて、cloudwatchのアラートを使って検知するようにしておけば、実際のユーザが利用した際に発生した問題もわかりやすくなると思います。

ちなみに、LambdaのpythonでCustom Skillを作成した場合、戻り値はJSON形式ではなくdict型で返す必要があります。過去にそれを忘れてて、何時間もテストツールがうまく動かず、ハマりまくることがありました。Custom Skill向けのバリデータも欲しいですね。

[5/3] Integrate Skills with Alexa Lists–Now Available as Part of the Alexa Skills Kit

Integrate Skills with Alexa Lists–Now Available as Part of the Alexa Skills Kit : Alexa Blogs

Alexaのto-doリストとshoppingリストにアクセスできるようになりました! これによって、今まではこのような機能を実現しようとすると、自分のSkillの中で保持する必要がありましたが、読み書きが可能になったので、ユーザーにとってはAlexa Appをみれば良くなるので利便性が向上することになりました。

[5/4] Conexant 4-Mic Dev Kit Brings Far-Field Voice Recognition Technology to AVS Developers : Alexa Blogs

Alexa Voice Serviceを利用してデバイスを作るメーカーに向けて、マイクを4つ備えたデベロップメントKitを発表しました。 このキットは、以下の機能を持っています

  • Far-field
    • 部屋の向こうからAlexaと話しかけても反応する技術
  • Smart Source Locator
    • ユーザーがどの方向から喋りかけているかを判別する技術。それによりノイズを無視することが出来、より正確に発話を聞きかけることが出来る

商用向けグレードでは、Echoのように音楽を再生していても、「Alexa」に反応出来るAudioSmartにも対応しています。

[5/8] Tips on State Management at Three Different Levels

Tips on State Management at Three Different Levels : Alexa Blogs

[5/9] Introducing the All-New Echo Show

Introducing the All-New Echo Show : Alexa Blogs

ついにスクリーンを搭載したEchoが登場しました!! 例えば、ECサイトのSkillがあったとして、「洗剤が欲しい」と話しかけても、洗剤の種類は大量にあるので、それを一つ一つ読み上げるのは、明らかに使い勝手が悪いです。そこで、このようなスクリーンがあると、その中から目視で選べるようになるので、ユーザーにとっては使いやすくなります。 また、Cardの中で動画の再生が可能となっているようで、youtubeがみれたり、Flash Briefingにも動画が利用できるようになるみたいです。 今後、SkillのTool Kitがリリースされてくるので、実際にどのようなものが作れるか試せるようになります。

[5/15] Cloud-Based Wake Word Verification Improves “Alexa” Wake Word Accuracy on Your AVS Products

Cloud-Based Wake Word Verification Improves “Alexa” Wake Word Accuracy on Your AVS Products : Alexa Blogs

たまにAVSを利用したデバイスは「Alexa」と話しかけていないのに「荒木さん」反応してしまう事もあり、ユーザーの体験を損ねることになってしまいます。 今回追加されたクラウドベースのチェックによって、デバイスでWake Wordを検知したあと、クラウドにその後の発話を送りつつ、再度クラウド側でWake Wordのチェックをすることで、ご検知かどうか判断することが出来るようになりました。 この機能を有効にすることで、ご検知した時は処理を中断させることが出来、ユーザーの体験を損ねないようなプロダクトを作ることが可能となります。

[5/16] Amazon Announces ‘Notifications for Alexa' Feature Is Coming Soon—Sign Up to Stay Tuned

Amazon Announces ‘Notifications for Alexa' Feature Is Coming Soon—Sign Up to Stay Tuned : Alexa Blogs

これも待ち望んでいた機能の一つで、ネイティブアプリで言うプッシュ通知が出来るようになりました! Push通知と言っても音を鳴らして、Echoのリングを光らせるだけなので、どのスキルからのお知らせかどうかは、ユーザーがEchoに聞く必要があります。 Skill毎にPushを許すかのパーミッションを設定することが出来、「Do Not Disturb」モードにすることで一律Pushを無視させることが出来ます。

[5/18] スマートスピーカーの「Google Home」年内に日本上陸へ! Spotifyにも対応です

www.gizmodo.jp

Google Homeが年内に日本へ投入されるとのことです!! Amazon Echoは噂レベルでは年内との話はありますが、Amazonからの正式な発表はまだ無いので、いつ出るかはまだ不明です。 アメリカでは70%のシェアを持っているAmazon Echoシリーズですが、投入のタイミングによっては、国内だとそのシェアは変わってくる可能性があります。 Amazonさん、早くして〜。

[5/19] Advertising and Alexa

Advertising and Alexa : Alexa Blogs

Alexa Skillでは現状ネイティブアプリのようなIn App Purchaseの仕組みを持っていません。 その為、デベロッパーに対して簡単にマネタイズする方法はありませんでした。 そんなこともあり、Skillを公開しているデベロッパーに対してAWS料金の$100クーポンが提供されていて、デベロッパーの負担を少なくする方法が取られてきました。 今回の発表により、Skillの音声データにCMの様な広告を含めることが許可されたので、自分のSkillに広告を含めてマネタイズする手段が1つ出来ました。 ただし、Alexaの声を利用した広告は禁止されているので、テキストデータとして含めることはおそらく出来ず、オーディオデータとして用意しなければなりません。

[5/21] Microsoft初となる「Cortanaで動くスマートスピーカー」がAmazon Echoを揺るがすかもしれない

thebridge.jp

2017年秋にアメリカ国内で販売を開始するとのこと。 今年は音声UIが広がる年であると思っていますが、Google Homeと合わせ大手3社のAIホームアシスタントが今年で揃うことになります。 WWDCもあるので、もしかするとSiriのデバイスも出てくるかもしれないですし、目が離せないですね。

[5/23] Define Your Appliance Category for a Better Customer Experience : Alexa Blogs

Smart Home Skillにカテゴリーを指定できるようになりました。 今までは、シーンもデバイスもすべて同じ一覧に表示されていて分かりづらかったのですが、カテゴリーによって分けることが可能になりました。

Smart Homeのトップがこんな感じになり f:id:sparkgene:20170528164806p:plain

これが、デバイスの一覧で f:id:sparkgene:20170528164640p:plain

こちらがシーンの一覧 f:id:sparkgene:20170528164703p:plain

[5/24] Ikeaのスマート電球はAmazon Alexa, Apple Siri, Google Assistantから操作できるようになる

jp.techcrunch.com

PhilipsのHueはAlexa対応しているけど、LED旧個入った物でも$200と結構高いです。 Ikeaが発表したものはコントローラーが$59.99、Led球が$14.99とかなり安いです。元々、IkeaのLED球を家で利用していますが、明るさ的にも問題は感じていないので、この値段であれば家中の明かりをIkeaのものに変えて、全部Echoから操作できるようにすると便利そうですね。


あとがき

スクリーン付きのEchoが登場したのと、Google Homeが年内に日本語対応をするというのが、今月のビッグニュースですね。 また、TVを操作するためのデバイスがAVS対応したり、IkeaのLed球がAlexa Skillで操作できるようになったりと、Alexaを取り巻くエコシステムも出来上がりつつありますね。 今までとは違った体験が今後の生活スタイルを変えていきそうで、すごく楽しみですね。

ちなみに、Back to the future 2で出てくるこのシーンは、すでに30年前にそんな日常を予見していたのかなと。 (この映画を見た世代が、その影響を受けてテクノロジーの開発をしているのかもしれませんがw)

www.youtube.com