最近Amazon Alexa界隈で起きたこと(11/26〜12/30)
前回の記事から1ヶ月経って、Amazon Alexa界隈で何が起きたでしょうか。
目次
現時点のSkill数(US)
前回に続いてNews系のSkillがいっぱい増えています。 今のペースでいくと3月頃にはSkill数も1万を超えそうですね。
Alexa AppのSkillカテゴリーに「Newest Arrivals」が増えており、新着のSkillが見やすくなっています。
[11/28] re:Invent 2016で参加者にEcho Dotが配られる
Pick up your Echo Dot at the SWAG desk & start your skill! Sponsored by Alexa & Capital One. #reInvent https://t.co/xGwliRWO2E pic.twitter.com/YfMuBIUqQj
— AWS re:Invent (@AWSreInvent) November 29, 2016
今年のre:Invent参加者には、パーカーだけではなく第2世代のEcho Dotが配られました。 日本からの参加者も700名近いという話ですので、日本国内にも大量のEchoが出回ったことになります。国内では技適の問題で使うとあれですが、興味を持ってSkill作ったりする人がこれから出てくることを考えると楽しみですね。
[12/1] Amazon and Intel Enable New Alexa Use Cases with Reference Design and Skills Integration
IntelとAmazonが組んで、Echoのように離れた場所から話しかけてもちゃんと対話できるようなスマートスピーカーの開発を手助けするform factor reference designs (FFRD) を2017 1Qにデバイスメーカへ提供できるように進めています。
[12/1] Amazon Lex、Amazon Polly発表
re:InventでAlexaの技術を利用したサービスが2つ発表されました。 Amazon Lexは音声やテキストを利用した会話形のアプリケーションを開発するためのプラットフォームです。 Amazon Pollyはtext to speechサービスで、テキストを音声データに変換してくれます。変換先の言語として日本語も用意されています。
PollyとAlexaを組み合わせたSkillを試しに作ってみました。
[12/7] Introducing the ASK Built-in Library Developer Preview
今まではASK向けにIntentやSlotが幾つか用意されていましたが、今回更に100以上のIntentやSlotが追加されました。 上記のブログでは天気についての説明がされていますが、Built-in Intentsを見ると、本、映画、音楽などなど大量に追加されています。 また、Intent Signature Syntaxも大幅に変わっており、今まであったStandard Built-in Intentsとはだいぶ変わりましたね。
[12/8] Conexant's Development Kit for Amazon Alexa
https://developer.amazon.com/alexa-voice-service/dev-kits
Raspberry Piで作れるEchoはウェイクワードの判定にクラウドのサービスを使いますが、この開発キットはボード内でウェイクワードを判定してくれ、更に複数のマイクを搭載しているため、より本物のEchoのようなAVS対応デバイスの開発を手助けしてくれます。
実際にラズパイで自作のEchoを作ってみると分かるのですが、結構反応が悪いです。最初は英語の発音が悪くて反応してくれないのかと思って結構凹む。。しかし、実際にラズパイ上でマイクの入力を録音してみると分かるのが、結構ノイズが乗っている。聞き取れないのかと思って思わず大きな声を出していたのが逆効果で、音が割れまくっています。そりゃ認識できないですよね。 そこで、このような開発キットを使うとそういった問題も減るのかなと思います。
[12/9] 「Google Home」用の「Conversation Action」を開発者が作成可能に
Google HomeにAlexa のSkillみたいなものが出てきそうです。まだ一般公開はされていないようですが、2017年は面白い年になりそうだ。
[12/14] Wynn Las Vegas Announces the Addition of Amazon Echo to All Hotel Rooms
Wynn Las Vegas Announces the Addition of Amazon Echo to All Hotel Rooms
ラスベガスのホテルWynnで全室にAmazon Echoを標準装備するとのこと。4000室以上あるメガホテルに夏頃までに導入という凄い話なのですが、凄いのはそれだけではなく、Echoを介して部屋の照明、エアコン、カーテン、テレビも操作できるようになるということ。 これは、ホテルに遊びに来た人が気軽にスマートホームを体験できるということになります。いやー、さすがラスベガス規模が違いますね。これは、来年のre:InventはWynnに泊まるしかないんじゃないかと。
[12/15] The complete list of Alexa commands so far
Alexaのコマンドリスト。音楽の再生からSkillの追加、イースターエッグなど、多岐にわたるコマンドを紹介。困ったときはとりあえず「Alexa, help」でヘルプを。
[12/17] Alexa Exclusive Deals(Alexaで買い物)
Alexaを通すとオトクな買い物ができるというもの。プライムメンバー向けのサービスで、通常のAmazon.comで買い物するよりも最大40%割引で商品が購入できる。 Alexaで色んな体験をしてもらおうという施策なのかな。 割引の例で、Dotのカバーが33%引き。
[12/20] How to Build a City Guide for Alexa
New Technical Tutorial: How to Build a City Guide for Alexa : Amazon Developer Blogs
都市ガイドのテンプレートの紹介。node.js版のソースも用意されており、簡単なガイドSkillが作れます。都市のニュースを教えてくれる機能もあり、ニュースのデータはNew York TimesのAPIを利用してデータを引っ張ってくれる物となっています。
[12/21] Using Alexa on Fire Tablet
https://developer.amazon.com/blogs/post/fc03c85e-67e4-4516-abae-8c2e972a714a/using-alexa-on-fire-tabletdeveloper.amazon.com
スクリーン付きのEchoが出る噂がありましたが、それより先にFire Tabletに搭載されたことで、スクリーン付きの環境を手に入れました。 通常のEchoではタイマーをセットした後、残り時間を知るためにはEchoに聞く必要がありますが、Fire Tabletではスクリーン上に残り時間が表示されたり、天気のカードが表示されたりと、音声で操作して、結果をヴィジュアルで得られると言う更に使い勝手の良いUIを手に入れたと思います。
[12/23] ユーザーが選ぶSkill 2016年版発表
https://www.amazon.com/gp/adlp/alexa2016
実際にユーザーが利用してたり、レビューが多かったSkillが選出されました。 スマートホームとゲーム系のレビューが多いですね。
ゲームの中に有るThe Magic Doorですが、re:Inventに参加した際にこれの開発者のセッションを聞きました。 どんなSkillと言うと、昔本のRPGがすごく流行ったかと思いますが、それの音声版です。Alexaに話しかけながら物語が進んでいく物で、登場人物の声を変えたり、ドアを開ける効果音なども多分に使われたSkillで結構面白いです。
セッションでは大量のテキスト、音響データの管理、テストなどについて紹介されていました。
[12/27] Alexa skill ki(ASK)を使って、Datadogからの回答が取れるか?
連載記事になるみたいで、今回のはAlexa Skill Kitの開発を行う上での環境を詳しく解説してくれています。ローカル環境上で起動しているSkillに対してAlexaからアクセスできる設定がされていたりと、勉強になります。 私はLambda上で開発することが多いですが、Skillの規模が大きくなってきたらこのようにちゃんと環境を作るほうが効率が良さそうですね。
[12/27] GEアプライアンスとAmazon Alexaが連携し、新たな音声制御Alexaスキルを開発
GEアプライアンスが自社の製品とAlexaを連携させるSkillを開発したとのことです。
GE WiFi Connect - Geneva 製品のページを見ると、オーブン、コーヒーメーカー、冷蔵庫、食器洗機、洗濯機など様々な家電がWi-Fiにつながる機能を持っているので、それらがAlexaのSkill経由で操作できるようです。
[12/27] Windows 10が次に実現する「PCではない未来のデバイス」とは?
Windows 10に搭載されている音声アシスタント「Cortana」が音声によって起動するといったアップデートがされるとのことです。元々Windows 10にはIoT Coreというラズパイでも動く組み込み向けのOSが用意されているので、それでも利用可能になることで、Amazon Echoのようなデバイスが登場するかもしれません。 Google Home、Amazon Echoそして、WindowsのCortanaの登場で2017年は、更に音声UIが注目される歳になりそうです。
[12/28] 「Alexa、犯人は誰だ?」あるAmazon Echoが刑事事件の証拠を握っているかもしれない
このニュースを読んでると、やっぱりずっと音声がクラウドに送られてそうで怖い、、って話になりですが、実際はちょっと違います。 Amazon Echoはウェイクワードを判別するためにずっと周囲の音を拾ってはいますが、その音をすべてクラウドに送っているわけではありません。ウェイクワードはAmazon Echo上で判定され、その後の音声データをクラウドに送っていると言われています。 では、そのウェイクワード以降の音声がすべてサードパーティーが作成したSkillに送られているかというとそんなことはなく、音声認識されたデータはSkillが必要としている情報だけになって送られてきます。 Does the Amazon Echo respect privacy? - Quora
[12/28] Alexa Devices Top Amazon Best-Seller List this Holiday – Millions of Alexa Devices Sold Worldwide
Amazon - Press Room - Press Release
Amazonが年末商戦の数字を幾つか公開しました。 詳しい数字は公開されていませんが、過去最高だったと書かれています。なかでも、Echoシリーズは去年と比べると9倍売れて、百万単位のAlexa搭載デバイスが販売されましたと。2014年の発売からEchoはアメリカで510万台販売されているとのことです。
[12/29] SamsungがAmazon Echoと互換性のあるロボット掃除機をCESに出品
「Alexa, ask Neato to start cleaning」って話しかけると掃除を始めてくれるルンバのような掃除機。 掃除機を操作するだけならAlexaは必要ない気がする、、普通の音声認識で起動できれば良いような。
あとがき
日本では個人で手に入れた人や、re:Inventでの配布で手に入れた人を考えると、国内にはざっくりとですがまだ1000台ぐらいしかAlexaデバイスがないのかなと思います。 一般家庭に音声UIが広がり始めたアメリカと比べて、日本ではまだまだなのが悲しいですね。